プログラム外で植物ファイルを編集する
(Editing plant files outside the program)
PlantStudio は、バイナリペースでなく、テキストペースの植物ファイルを使います。テキストベースのファイルを使うのは、次の理由によります。
- パージョン変更を扱うのに、柔軟に対応できる。
- 問題が起こった時の信頼性が高い(そのファイルを自分で編集できる)。
- エラーが起こりにくい。(そしてエラーが起こったら容易に修復できる)。
- Eメールを使ってインターネットで送りやすい。
- 私たちにテクニカルサポートの質問を送りやすい。
当然ながら、植物ファイルの編集は、 PlantStudio だけで行なうのが望ましいです。しかし、何らかの理由で、直接に植物ファイルを編集する必要があるなら、次に述べる事柄を参考にしてください。
注意:植物ファイルの書き換えは、高度なトピックに属します。PlantStudio に習熟していて、その様々な概念をよく理解している、ということではないなら、それを行なうべきではありません。植物ファイルを編集して問題が起こったら、問題の起こったそのファイルを私たちに送ってください。
以下の事柄はファイル全体にあてはまります。
- あなたが使っているワードプロセッサが、行が長い場合に改行を付け加えることがないことを確認してください。勝手に改行されると、パラメータが途中で途切れてしまい、読み取りできなくなります。読み取りで着ないパラメータは自動的にデフォルト値にセットされます(これは自動に行なわれ、警告が出ることはありません)。Eメールリーダーからコピーして、PlantStudio へと貼り付けるような場合、Eメールリーダで長い行を自動改行しないように設定してください。
- まるまるひとつの植物を別のファイルへとコピーすることができます。あなたがゲットしたものが、まるまるひとつの植物であることを確認してください(次の植物名までがひとつの植物の範囲です。)この作業は、植物移動ウィンドウ(plant mover)を用いて行なうこともできます。
- 行の先頭にセミコロン ";" のある行は、コメント行です。プログラムはこの行を読み取りません。(PlantStudio で)そのファイルを上書き保存すると、新規のコメントは失われますので、コメントを永続的に付加することはできません。
- "start" や "end" で始まる文を変更していないことを確認してください。これらは、その植物が正確に読み取りできるように植物ファイル中に書き込まれた「しるし」のようなもの(placeholder:プレイスホルダ)で、正確に書き込まれている必要があります。プレイスホルダには、"start" と "end" で、その植全体を囲うもの、植物のノートを囲うもの、3Dオブジェクト部分を囲うもの、などがあります。
以下の事柄は、各植物の最初の部分にある植物名やノートの部分にあてはまります。
- 植物名を囲っている角括弧(例: [daisy] )を変更してはいけません。また、始めの角括弧の前にスペースを入れてはいけません。最初の角括弧は、行の先頭にある必要があります。
- ノートを用いてその植物にメモをつけることができます(詳しくは、ノートの編集(Editing plant notes)を見てください)。また、ファイル中のノートを直接編集することもできます。編集する際注意することは、ノート部分の最初の行と最後の行をいじらないことです。ノート部分のない植物に、手作業でノートを付け加えるには、別の植物からノート部分をコピーしてきてから、最初と最後の行に囲まれたノート本体(body)の部分を書き換えます。
- 植物のノートのパージョン互換性について:ノートの機能は、PlantStudio 1.40 から使えるようになったものです。植物ファイル中にノート部分を持つ植物ファイルを、PlantStudio の初期バージョンで読み込みすると、おそらく、ノート部分は無視され、植物の読み込みは可能だろうと思います。ただし、ノート部分に、パラメータを定義する文、例えば、"Plant is dicotyledonous (has two seedling leaves) [kGeneralIsDicot] =true" とかいう文が含まれていると、正しく読み取りできないかもしれません。この文が正式のものだと、ノートのほうの値が、植物の本当のほうの値を上書きしてしまうかもしれません。これはめったに起こらないでしょうけれども。
以下の事柄は、植物の情報の本体すなわちパラメータの行にあてはまります。植物の情報の本体は、植物名とノートの後にあります。
- 各行の最初の部分は、そのパラメータの名前です。この部分は、あなたに情報を提供するだけのもので、PlantStudio は、その部分を読み取りません。また、PlantStudio は、そのファイルを保存する際に、この部分を再び書き出ししますので、あなたがこの部分に特別に何かを書いたとしても、PlantStuio の保存時に、それは失われます。ただし、この部分(名前全体)を削除してはいけません。プログラムは、この部分(名前)の後の角括弧が、新規の植物の開始点だとみなすからです。
- この部分(名前部分)に続く部分は、角括弧で囲われています。この部分はとても重要です。この部分の文字列が、プログラム中の文字列と一致するかどうか調べて、その値がどのパラメータのものかを決定します。これらの文字列を変更してはいけません。
- イコール記号の後にそのパラメータの値が置かれます。それらの値を変更する場合は、注意深く行なってください。読み取りの際、そのパラメータを認識できない場合、あるいは、その値が不正なタイプのものである(例えば、整数であるべきなのに実数値だったとか)場合、その行がないものとみなし、そのパラメータ値はデフォルトのものを使います。読み取りできずにデフォルト値を使ったとしても、それを警告することはありません。値の変更を行なったなら、PlantStuido のその植物のパラメータ値を調べて その新しい値が正しく読み取ることができているかどうかを確認すると良いでしょう。そのパラメータの許容値を超えた数値にその値を変更してはいけません。その値は、読み取りの際に、許容値内に収められるでしょう。(許容値の変更については、パラメータの許容値とデフォルト値の変更(Changing global parameter bounds and defaults)を見てください。)
- 3Dオブジェクトのエントリーは、かならず "start 3D object" で始まり、"end 3D object" で終わっている必要があります。そうなっていないと、PlantStudio は、読み込みを停止するでしょう。植物は、使用している3Dオブジェクトを全て持っていなければなりません。ですから、ファイルから3Dオブジェクトをひとつ削除すると、その植物は、別のデフォルトの3Dオブジェクトを作ることになるでしょう。
- "Base point x"、 "Base point y" と書いてある行の値は、その植物の描画エリア内での位置を表し、初期拡大率(global magnification)とスクロールオフセット(scrolling offset)に対する相対値になります。植物がスクリーンから消えてしまい、再びそれを見つけることができないなら、これらの数値を、100と100のような単純な値に設定してみて、見えるようになるか試してみてください。メインウィンドウのScale to Fitボタンをクリックすることで、この問題を修正することもできるけれども…ね。